10月5日
日本代表のキリンカップを観戦するため、国立競技場へと足を運びました。
最寄りの駅を降りてからスタジアムへと続く道は、青いユニフォームや代表グッズを身にまとった数え切れないほどの人波で埋め尽くされていました。秋の肌寒さを忘れさせるような熱気、行き交う人々の期待に満ちた笑顔、スタジアムが近づくにつれて大きくなっていくざわめき。その人の波の中を一歩一歩歩きながら、ふと胸の奥が熱くなるのを感じていました。

この胸のざわめきと純粋な高揚感は、自分が中学生だった頃に胸を躍らせてスタジアムへ向かった時の感覚と、まったく変わっていません。
どれだけ月日が流れ、年齢を重ね、サッカーとの関わり方や指導者という立場が変わったとしても、スタジアムへ向かうあの道中の特別な空気感だけは、いつの時代も少年の頃のまま私の中に鮮やかに生き続けています。
ゲートをくぐり、スタンドに入ると、視界いっぱいに広がったのは超満員の観客席でした。何万人ものサポーターが放つ地鳴りのような歓声、ピッチを鮮やかに照らすカクテル光線、国を背負って戦う選手たちの引き締まった表情。日本最高峰のフットボールの熱量が、スタジアム全体を包み込んでいました。
そして、そのピッチを見つめながら、私の中に言葉では言い表せない不思議な感情が湧き上がってきました。
今回ピッチに立つ日本代表メンバーの中に、かつて育成年代で関わらせてもらった選手が3人いました。彼らがあの緑の芝生の上で、日本を代表する選手として堂々と躍動している姿を目にした瞬間、胸がいっぱいになりました。
彼らの育成年代の頃を思い出すと、本当に感慨深いものがあります。

数万人の観衆が息を呑み、彼らの一挙手一投足に熱狂している光景をスタンドから見下ろしていると、「本当にあの頃のあいつらなんだよな」という現実感と非現実感が交錯するような、何とも言えない不思議な感覚に包まれました。そして同時に、指導者としてこれ以上の喜びはないというほどの、深い誇らしい気持ちが込み上げてきました。
日本を背負い、国立競技場の超満員の観衆の前でプレーする――。
それはサッカーを志すすべての子どもたちにとって、間違いなく憧れの頂点です。しかし、そこに立つことができるのは、ごく一握りの選ばれた選手だけです。そしてその場所へ辿り着くためには、育成年代で何を学び、どんな高い基準で自分を磨き上げ、どれだけの困難を乗り越えてきたかが問われます。
彼らの逞しい背中を見つめながら、指導者としての使命感が再び強く呼び覚まされました。 「ここでプレーする選手を、もっともっと多く輩出したい」 その想いが、心の底から熱く湧き上がってきたのです。
日々の育成現場に戻れば、地道で、時に思い通りにいかないことの連続です。すぐに結果が出る魔法などなく、泥臭く目の前の子どもたちと向き合い、本質的な成長を促すための長い旅が続きます。 しかし、今日この国立で目にした光景は、その日々の積み重ねが確実に未来の舞台へと繋がっていることを、何よりも雄弁に証明してくれました。
教え子たちがピッチ上で見せてくれた誇らしい姿から、私自身が大きなエネルギーと勇気をもらいました。
いつかこの満員の国立のピッチに立ち、日本中を熱狂させる次の選手たちを育てるために。情熱を持って、目の前の選手たちと真摯に向き合い続けていきたいと思います。